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気象衛星ひまわりで見る雲の種類

ひまわりの映像で、
白く見える部分は上層の雲で氷の結晶で出来ている。

白い部分は一見、厚い雲のように見えるが、
飛行機雲と同じ高さの上層にあるすじ雲だ。
少し低い部分には、うろこ雲などがある。

うすい灰色に見える部分は、
低い雲で雨雲であることが多い。

灰色の雲の中に丸く白い雲が見られるのは、積乱雲だ。

積乱雲は背が高く、
頂上は1万mを超えることがあり、
氷の結晶で出来ているため白く見える。

つまり、白い部分は積乱雲の頭である。

ただし、
一面、白い上層があると、
その下の雲は見えにくく、雨雲が隠されていることもある。

したがって、
一つの観測資料だけでなく、
地上気象観測のデータで雲の種別を判定したり、
気象レーダーの観測結果からは、
雨を降らせている雲が層状雲か対流雲かを判別するなど、
多くのデーターから総合的に判断することが望ましい。
(2001/5/23)

台風の観測

視聴者から
「台風が洋上にある時、どのようにして風や気圧を測るのですか」との質問をいただいた。

陸上には観測施設があるが、洋上には観測施設がない。

そこで、昔は米軍の飛行機が台風の中心に突入して風を測り、
ラジオゾンデという機器を台風の中心に投下して中心気圧を測っていた。

気象庁は観測用の飛行機がないので、
台風観測はもっぱら米軍に頼っていたのである。

昔の台風名にアメリカ人女性の名前が使われたのは、
観測に出向く人が自分の恋人や母親の名前を付けたからである。

でも、遠い昔ではなく、今から15年前の1987年まで飛行機による観測が実施されていた。
1988年からは気象衛星による観測に替わった。

気象衛星での観測は、
雲や水蒸気の動き、雲の形などから、
最大風速と中心気圧を推定する方法である。

気象衛星の観測に切り替わる前の数年間は、
飛行機と気象衛星の両方で同時に観測し、
その成果を比較していた。

飛行機による観測は実に危険で、遭難もしている。
飛行機観測のおかげで、
現在は統計的な手法によって、
宇宙から安全に観測できるようになった。(2002/7/20)

台風の熱帯低気圧と温帯低気圧への変化について

ファイル 177-1.jpgファイル 177-2.jpg

阿南市の男性から質問をいただいた。
「台風から熱帯低気圧や温帯低気圧に変わることがありますが、
どのような違いで熱帯低気圧になったり
温帯低気圧になったりするのでしょうか」とのお尋ねである。

先ず、熱帯低気圧に変わる場合について、
台風はもとも熱帯低気圧であったのが発達して最大風速が17m/s上になったものをいう。

したがって、
台風が弱まって熱帯低気圧に変わると言うことは、
元の熱帯低気圧に戻ることである。

熱帯低気圧は、
全体が暖かい空気だけで出来ていて、
最大風速は16m/s以下。
風が台風より弱いだけで、性質は台風と同じである。

次に、温帯低気圧に変わる場合について、
台風が弱まるに従い
周辺部から冷たい空気が流れ込んでくることがある。

このため、周辺部から前線が出来はじめて、
やがて温帯低気圧へと変化する。

つまり、
台風が熱帯低気圧に変わるか温帯低気圧に変わるかは、
寒気の流入の有無によって決まる。
(2004/9/15)